<プロフィール>影山慎二先生医療社団法人 灯弘会 かげやま医院(泌尿器科専門クリニック) 院長浜松医科大学 非常勤講師

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専門家による頻尿スッキリのすすめ

トイレの悩みをサポートするサプリメントの役割

新たな国民病となる可能性も出てきた「排尿機能障害」。実際に泌尿器科の医療現場で「排尿機能障害」の治療に取り組まれている、かげやま医院 影山慎二院長に「排尿機能障害」の治療や予防において期待されるサプリメントの役割についてお伺いしました。

「高齢化と共に排尿トラブルに悩む人がさらに増加」
「排尿機能障害」とはどのような病気か
くわしく教えていただけますか?

影山先生

 「排尿機能障害」とは、いわゆるトイレの悩み、排尿トラブルのことです。原因は様々ですが、近年、代表的な排尿機能障害である“過活動膀胱”という病気が広く知られるようになってきました。これは男女問わずに起こる病気で、急に尿意をもよおし我慢できなくなる症状です。そのため、何度もトイレに行きたくなったり、時には漏らしてしまったりということも起きてきます。
すぐに命に関わるという病気ではありませんが、症状が進むと睡眠障害を起こす、仕事や外出に差し支えるなど、著しく「生活の質(QOL:Quality of life の略)」を損なう要因となります。
 過活動膀胱の患者数は全国で推定800万人。排尿機能は年齢と共に低下すると言われています。高齢化と共にますます患者数は増加する見込みで、近い将来、新たな国民病となる可能性も出てきました。

「“薬の補完”として活用するサプリメントの可能性」
医療現場では、どのような治療をされていますか?

影山先生

 “過活動膀胱”の治療は主に薬によって行われます。理学療法などもありますが、残念ながら有効な手術は今のところありません。生きていく上で排尿は欠かすことのできない営みであり、服薬はどうしても長期に渡るケースが多くなります。薬の長期使用は誰しも避けたいですし、できれば自然のもの、つまり機能性食品であるサプリメントを使いたいという方も多いのではないでしょうか。
 重症の方はもちろん薬が第一選択となりますが、原因や症状は人によって異なり、薬でもうまく改善しない時があります。こういったケースでは、薬の作用するところとは違った部分にも障害の原因があることが想定され、薬では効かない部分にサプリメントを使うという考え方もあります。薬とサプリメントの併用ですね。このような「薬の補完」としてのサプリメントの活用法も今後の選択肢としてあっていいのではないかと思います。

「エビデンスに基づいたサプリメント開発に期待」
サプリメントの活用も視野に入れておられるのですね。
では、実際どういったサプリメントが望ましいとお考えですか?

影山先生

 現在の医療現場では医師がサプリメントを勧めることはまだまだ多くありせん。サプリメントを治療に取り入れるためには、多人数の患者さんが使用して行った臨床試験によるエビデンス〈証拠〉が必要だからです。数人の「よくなった」という感想だけでは不十分です。もちろん、安全性情報も不可欠です。また、素材の規格化も重要な課題ですね。同じ素材の名前で複数の会社から商品化されている場合、有効成分の含有量がまちまちだと当然、効き方も変わってきます。
 これから増加していくさまざまな排尿機能障害に対応していくためにも、科学的エビデンスに基づいた日本発のサプリメント開発に期待したいですね。

「屋久島産ボタンボウフウの排尿障害に対する可能性」

屋久島原産ボタンボウフウ

 タカラバイオでは静岡県立大学大学院と共同研究を進め、屋久島原産ボタンボウフウに含まれる有用成分「イソサミジン」を含有するエキスが排尿機能を高めることを発見。

 その後、影山先生や大学の先生方のご協力のもと、日本人を対象にしたヒト臨床試験を実施し、同「イソサミジンエキス」が排尿障害を改善することやヒトへの安全性を確認しています。その詳細についてお聞きしました。

イソサミジンにおけるヒト試験を実施 グラフ
実際に「イソサミジンエキス」を飲まれた患者さん方を
診察なされて、どのようなご感想をもたれましたか?

影山先生

 尿の回数など排尿に関する自覚症状の結果では、医薬品とあまり変わらない結果となり驚きました。
   効果の大小はあるものの、トイレの悩みが解消されて「生活の質(QOL)」が改善した人が多かったことは、非常によいことだと思いました。

希望者の方に、最長6か月まで摂取を継続して頂き、
経過を観察されたそうですが、結果はいかがでしたか?

影山先生

 その後も「イソサミジンエキス」の摂取を継続された方は効果が持続しています。逆に摂取を止めると1ヵ月くらいで元に戻ってしまった方もいました。この結果からわかるように、継続して摂取していただくことが大切だと言えます。過活動膀胱は、薬による治療を行っても完全に治すのが難しい病気です。薬でも症状を抑えるという対処療法でしかない場合もあるため、今後はサプリメントを組み合わせていくことで、患者さんに応じたケアが出来るかもしれません。

「薬とサプリメントを上手く活用すれば選択肢が広がる」
最後に、排尿機能障害の治療や予防におけるサプリメントの
役割について先生のご意見をお聞かせください。

影山先生

 今後はますます、このような科学的エビデンスに裏付けされたサプリメント開発が望まれると思います。サプリメントを医療に適切に取り入れることは、薬の補完としての役割に加え、薬の副作用の低減や医療費の削減にもつながっていきます。また、予防や症状の軽いうちに進行を抑える健康習慣としても大きな期待が寄せられています。
 薬とサプリメントを上手く活用することは患者さんの選択肢を広げ、「生活の質(QOL)」の向上に貢献していくことでしょう。